この教材は高校数学の基本問題中の2次関数の入試問題1という項目のバックアップ・コピーです.
• 平行完成の変形1 • 平行完成の変形2 • 平行完成の変形3 • 2次関数の平行移動 • 放物線の移動 • 3点の座標→2次関数の形 • 2次関数の最大値・最小値(区間が指定されていないとき) • 2次関数の最大値・最小値(区間が固定されているとき1) • 2次関数の最大値・最小値(区間が固定されているとき2) • 2次関数の最大値・最小値(区間が変わるとき) • 2次関数の最大値・最小値(条件付など) • 2次関数のグラフと係数の符号 • 2次関数のセンター試験問題(2013~) • 2次関数の入試問題 |
【ポイント1】
なるべく軽い変形を考える
引用元の問題は記述式の問題ですが,以下の問題ではWeb画面上での操作性をよくするため,選択問題に変えています.
【問題1】まぐれ当たりでは力が付きませんので,計算用紙を使って,よく考えてから選択肢の内の1つをクリックしてください.解答すれば解説が出ます. なお,答案はこの教材の筆者が作成したものです.間違い等がありましたらお知らせください.
[1]
放物線y=−x2+6x+3の頂点の座標は(ア,イ)である. (東海大2014年度)
y=−(x2−6x)+3 …(*1)
=−{(x−3)2−9}+3 …(*2) =−(x−3)2+9+3 =−(x−3)2+12 頂点の座標は(3, 12)
(*1) 定数項は最終的に外に出すので,この段階でかっこ内に入れない方がよい.
(*2) この変形が苦手な人は y=−(x2−6x+9−9)+3 =−{(x−3)2−9}+3 のように先に2乗の展開式を作ってから考えてもよい |
[2]
放物線y=2x2+ax+bの頂点の座標が(1, 3)であるとき, a=,b=である. (北海道工業大2011年度)
数学的に方針を決めて,算数的に計算するのがよい.
y=2(x−1)2+3→ 小さな道具でエコに! 下の(別解)のような解き方もあるが,労力は多くなる. とおけるから y=2(x2−2x+1)+3 =2x2−4x+5 a=−4, b=5 (別解) …(*1) …(*2) (*1)よりa=−4 これを(*2)に代入するとb=5 |
【ポイント2】
【問題2】2次関数(放物線)の移動は,頂点の移動で捉えられる.
[1]
2次関数y=−x2+2x+3のグラフを原点に関して対称に移動し,さらにx軸方向にa,y軸方向にb平行移動すると頂点の座標が(1, 1)となった.このときa=セ,b=ソである. (玉川大2014年度)
y=−x2+2x+3=−(x2−2x)+3
=−{(x−1)2−1}+3 =−(x−1)2+4 …(*1) の頂点は(1, 4) 原点に対称に移動すると,頂点は(−1, −4)で凹凸は逆になるから y=(x+1)2−4 …(*2) 平行移動して頂点を(1, 1)になるようにすると y=(x−1)2+1 …(*3) (*2)から(*3)に移動するには,x軸方向に2,y軸方向に5平行移動 ※y=f(x)の「グラフを」点対称移動,平行移動したグラフの方程式を求める公式もあるが,この問題のような2次関数の移動は「頂点の移動」と「凹凸の形」で考える方が簡単になる.
[2]
2次関数y=−2x2−2x−3のグラフをx軸に平行に アイ,y軸に平行にウ移動すると,2次関数y=−2x2−6x−5のグラフになる. (中部大2005年度)
このグラフの頂点の座標は…(*1) このグラフの頂点の座標は…(*2) したがって,(*1)から(*2)へx軸方向に−1,y軸方向に2平行移動 |
[3]
座標平面上に2つの放物線C1:y=2x2−4x+3とC2:y=−2x2+5x−6がある.C1を原点に関して対称移動した放物線をC3とする.C2はどのように平行移動するとC3に重なるか. (北海学園大2016年度)
|
【ポイント3】
【問題3】x軸と接する条件は (Ⅰ) 数学Ⅰの知識だけで調べるには
頂点のy座標が0になること
(Ⅱ) 数学Ⅱも習った後では
y=ax2+bx+cに対して
判別式D=b2−4ac=0
[1]
2次関数y=x2+px+pのグラフがx軸に接するとき,pはアまたはイとなる. (東京工芸大2005年度)
(数学Ⅰの範囲で頂点のy座標を使う場合)
の頂点のy座標は だから (判別式を使う場合) D=p2−4p=0 p(p−4)=0 p=0, 4 |
[2]
y=x2+px+q (pq≠0)のグラフが点(1, 1)を通り,x軸に接するとき, p=ウ,q=エである. (立教大2011年度)
(数学Ⅰの範囲で頂点のy座標を使う場合)
(1, 1)を通るから 1=1+p+q q=−p このとき の頂点のy座標は だから p, q≠0だからp=−4 このとき,q=4 (判別式を使う場合) (1, 1)を通るから 1=1+p+q q=−p y=x2+px−pについて D=p2+4p=0 p(p+4)=0 p=0, −4 p, q≠0だからp=−4 このとき,q=4 |
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