この教材は高校数学の基本問題中の2次関数の最大値・最小値という項目のバックアップ・コピーです.
• 平行完成の変形1 • 平行完成の変形2 • 平行完成の変形3 • 2次関数の平行移動 • 放物線の移動 • 3点の座標→2次関数の形 • 2次関数の最大値・最小値(区間が指定されていないとき) • 2次関数の最大値・最小値(区間が固定されているとき1) • 2次関数の最大値・最小値(区間が固定されているとき2) • 2次関数の最大値・最小値(区間が変わるとき) • 2次関数の最大値・最小値(条件付など) • 2次関数のグラフと係数の符号 • 2次関数のセンター試験問題(2013~) • 2次関数の入試問題 |
*** 目次 ***(クリックすれば該当項目にジャンプします)
【例題1.1】
x+y=2のとき,xyの最大値を求めてください.
条件式が1次方程式のときは,その方程式を使って1つの文字yを消去して,1つの変数xの関数に直して考えるのが基本です.(xを消去してもよい)
(解答)この参考図において,縦はyではなく,求める関数xyをxの関数として表したものであることに注意 xy=x(2−x)=−x2+2x =−{x2−2x}=−{(x−1)2−1} =−(x−1)2+1 右図のような2次関数になり,x=1(このときy=1)のとき最大値1になる.
【例題1.2】
x+2y=3のとき,2x2+y2の最小値を求めてください.
条件式の方程式を使って1文字を消去しますが,yを消去すると初めから分数が登場します.
(解答)この形ならxを消去する方が有利でしょう この参考図において,縦はyではなく,求める関数2x2+y2をyの関数として表したものであることに注意 2x2+y2=2(3−2y)2+y2 =2(4y2−12y+9)+y2 =9y2−24y+18 ゆえに のとき,最小値2をとる. →右上に続く
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→左下から続く
【問題1】 選択肢の中から正しい答を選んでください.(クリックする)
y=1−xを代入すると
2x2−3y2=2x2−3(1−x)2 =2x2−3(x2−2x+1) =−x2+6x−3 =−(x2−6x)−3 =−{(x−3)2−9}−3 =−(x−3)2+9−3 =−(x−3)2+6 x=3, y=−2のとき最大値6をとる |
「x2+y2=1のとき,x+y最大値を求めよ」というような問題では,条件式x2+y2=1を1文字について解いて目的の式に代入消去するという方法は難しくなります.
全くできないということではないのですが,のような関数の最大値を求めるのは大変です. このような問題では,
求めたい式をx+y=kとおいて,定数kの値の範囲を調べる方法があります.
x2+y2=1…(1) (条件式は方程式)x+y=k…(2) (目的の式も方程式になる) → (1)(2)の両方を満たす実数x, yが存在したら,そのようなkの値はとり得る値で,(1)(2)の両方を満たす実数x, yが存在しなかったら,そのようなkの値はとり得ないと考える. このような考え方の転換に慣れるまでは違和感があるかもしれないが,例えばx=1, y=0はx2+y2=1…(1) を満たすが,そのときk=1+0=1の値は確かに取り得る値となっている. また,x=0, y=−1はx2+y2=1…(1) を満たすが,そのときk=0−1=−1の値は確かに取り得る値となっている. このようにして(1)(2)を満たす実数x, yが存在したら,そのようなkの値はとり得る値となるのだから,(1)(2)を満たす実数x, yが存在するための条件を求めたらよい.(判別式を使うのでまだ習っていない場合は,飛ばしてもよいし,判別式を勉強してからやってもよい)
【例題2.1】
(解答)x2+y2=1のとき,x+yの最大値を求めてください. x+y=kとおく y=k−xをx2+y2=1に代入すると x2+(k−x)2=1 2x2−2kx+(k2−1)=0…(*) 2次方程式(*)が実数解をもつための条件は D'=k2−2(k2−1)≧0 −k2+2≧0 k2≦2 最大値は
【例題2.2】
(解答)xy=1 (x>0, y>0)のとき,x+yの最小値を求めてください. x+y=kとおく y=k−xをxy=1に代入すると x(k−x)=1 x2−kx+1=0…(*) 2次方程式(*)が実数解をもつための条件は D=k2−4≧0 k2≧4 k≧2またはk≦−2 x>0, y>0のとき,k=x+y>0だから k≧2 最小値は2 →右上に続く
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→左下から続く
【問題2】 選択肢の中から正しい答を選んでください.(クリックする)
y−x=kとおく
y=x+kを代入すると x2+(x+k)2=2 2x2+2kx+(k2−2)=0 判別式をD'とおくと D'=k2−2(k2−2)≧0 k2≦4 −2≦k≦2 k=2のときx=−1, y=1 x=−1, y=1のとき最大値2をとる
x+y=kとおく
y=k−xを代入すると x2−x(k−x)+(k−x)2=1 x2−kx+x2+k2−2kx+x2=1 3x2−3kx+(k2−1)=0 判別式をDとおくと D=9k2−12(k2−1)≧0 −3k2+12≧0 k2≦4 −2≦k≦2 k=2のときx=1, y=1 x=1, y=1のとき最大値2をとる |
○ のような式を比例形ということがあります. ○通俗的な言い方で言えば,このような(いもづる形)の条件式が与えられているときは, とおくと と書けるので,3つの変数で表される関数を1つの変数で表すことができます.
【例題3.1】
(解答)のとき,の最小値を求めてください. とおくと このとき となるから のとき最小値−2をとる. →右上に続く
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→左下から続く
【問題3】 選択肢の中から正しい答を選んでください.(クリックする)
とおくと
このとき となるから のとき最小値1をとる
とおくと
このとき となるから のとき最小値−7をとる |
(1) のように2つの変数が独立に変化できるときの最大・最小を求めるには,各々の変数について平方完成の変形をして の形に直して のとき最小値3 などと変数を分けて考えるのが第1の基本です. (2) しかし,のようにの項を含む場合には の形にはなりません. このように,一般の場合に2つの変数を含む2次関数の最大・最小を求めるには
(A) まず初めにだけを変数として(について整理して)平方完成を行い
という2段階の変形を行います.(B) 次にそこで出てきた定数項をの関数として平方完成を行う この第1段階で,各々のに対して,のとき最小値をとることが分かりますが,中でも最小値の値はの値によっては大きくもなり小さくもなります. だから のとき最小となります. 結局 (原式) と変形して, のとき最小値4をとることが分かります.
【例題4.1】
(解答)の最小値を求めてください. 変数を分けて1つずつ平方完成の変形を行います. のとき最小値1をとる. →右上に続く
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→左下から続く
【例題4.2】
(解答)の最小値を求めてください. xについて整理します. のとき最小値3をとる. 【問題4】 選択肢の中から正しい答を選んでください.(クリックする) のとき最小値4をとる
xについて整理する
のとき最小値2をとる |
媒介変数(助変数)を含む2次関数の最大・最小問題は,内容的には2変数関数の最大最小の問題と同じですが,出題のされ方や見かけが少し変わりますので,これにも慣れておく方がよいでしょう.
【例題5.1】
(解答)関数の最小値を求めてください. 次にの最大値を求めてください. はのとき最小値をとる. はのとき最大値をとる.
【例題5.2】
(解答)におけるの最大値と最小値を求めてください. の頂点の座標は ア) のとき 頂点は区間よりも左側にあり,関数のグラフは区間において単調増加.
最小値は
最大値は イ) のとき 頂点は区間の中にあり,頂点で最小となる.ただし,軸が左寄りか右寄りかで最大値は変わる. その1) のとき
最小値は
その2) のとき最大値は
最小値は
最大値は ウ) のとき 頂点は区間よりも右側にあり,関数のグラフは区間において単調減少.
最小値は
最大値は 【問題5】 選択肢の中から正しい答を選んでください.(クリックする)
(1)
ア) のとき
においての最小値を求めてください. のとき区間において増加関数になるからで最小値をとる 最小値は のとき区間の中に頂点があるから,で最小値をとる 最小値は のとき区間において減少関数になるからで最小値をとる 最小値は →右上に続く
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→左下から続く
(2)
ア) のとき
においての最小値を求めてください. のとき区間において増加関数になるからで最小値をとる 最小値は のとき区間の中に頂点があるから,で最小値をとる 最小値は のとき区間において減少関数になるからで最小値をとる 最小値は
(1)
ア) のとき
においての最大値を求めてください. のとき区間の左端が最大となるからで最大値をとる 最大値は のとき区間の右端で最大になるから,で最大値をとる 最大値は
(2)
ア) のとき
においての最大値を求めてください. のとき区間の左端で最大なるからで最大値をとる 最大値は のとき区間の右端で最大になるから,で最大値をとる 最大値は |
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